こんにちは、さむさんです。
最近日本でもよく取り上げられる話題の一つである、外国人受け入れについて。
外国人労働者を今より広く受け入れる方向となる入管法の改正案が、先ごろ閣議決定されました。
急に外国人を広く受け入れるのは色々問題も出るでしょうし、その前に日本の労働環境も改善すべきと思いますが、決まったことはしかたありません。
今後の日本は、外国人を積極的に受け入れる方向に舵を切るのは間違いないでしょう。
私が以前住んでいたマレーシアは、マレー系・中華系・インド系から成り立つ多民族国家です。
その上、近隣国のインドネシアやフィリピン・ミャンマー、そしてバングラデシュやネパールなどからの出稼ぎ労働者がたくさんいるので、外国人労働者無しではもうやっていけないレベルで定着しています。
しかし、日本は元々外国人が少ない国。
今後外国人の労働者が日本に増えたら、ここ数年の外国人観光客の急増を上回る大きな変化が日本国内におこるでしょう。
[st-kaiwa2]外国人がたくさんやってきたら、自分たちの仕事が奪われるのでは?[/st-kaiwa2]
[st-kaiwa3]日本のブラック企業みたいな劣悪な環境じゃ、誰も来ないでしょ。[/st-kaiwa3]
外国人労働者の受け入れについては、意見が別れるところです。
しかし、日本人には劣悪なブラック企業であっても、外国人労働者にはすごく恵まれた環境だったりします。
生まれ育った国が政情不安定かつ劣悪な環境でほとんど休みなく働くなら、もっと給与が高い日本で週休1日で働くのはむしろ恵まれてると感じる人たちはいるわけです。
おそらく、母国より恵まれた環境を求めて日本のブラック企業に飛び込む外国人労働者は増えると思われます。
[st-kaiwa1]もっと劣悪な環境の国の人からしたら、日本はすごく恵まれた環境なんですよ。[/st-kaiwa1]
新興国と比べて日本はずっと恵まれた環境
確かに、アメリカなどで働けるような高学歴かつ高スキルのいわゆる高度人材には、日本は労働環境や待遇がよくない国でしょう。
語学も堪能で業務のスキルもあるので、もっと環境かつ待遇がいい国を自分で選べる立場です。
しかし多くの新興国には、もっと待遇が悪くかつ劣悪な環境で毎日働く一般の労働者がたくさんいます。
日本は外国人労働者に選ばれなくなってるみたいな話は、あくまで現状の法律下でビザが適用される高度人材の話。インドで低賃金、長時間労働してる人間からしたら、給料10倍だし、街もキレイだし、日本は超魅力的。法律変わってビザ簡単に降りるようになったら日本に押し寄せてくる。
— Yugo インドで寿司屋 (@tokchin) 2018年11月3日
週休二日どころか休みもほとんどない
先進国でかつホワイトカラーの人たちは、今では週休二日が当たり前でしょう。
しかし、新興国のワークライフバランスはまだまだこれから。
私が住んでいたマレーシアでも、ローカル企業ではホワイトカラーの人でも週休二日じゃない企業が見られました。
これがいわゆるブルーカラーの人だと、もっと条件が悪くなります。
出典 : http://www.teamguards.com.my/nepal-security-guards-malaysia/
私のようにマレーシアで働く日本人は、セキュリティ完備のコンドミニアムに住むのがほとんどでしょう。
こういうコンドミニアムやショッピングモールには、上記の写真のようなセキュリティスタッフが常駐しています。
マレーシアにおいてセキュリティスタッフは、自国のマレー系かネパールからの出稼ぎ労働者がその職務につくことになっています。
仕事は24時間体制、メンバー全員がコンドミニアム内で共同生活して休みもほとんどないけど、月給はせいぜい5-6万円だとか。
出典 : http://www.alahadgroup.com/hiring-nepalese-security-guards-malaysia/manpower-recruitment-agency-in-pakistan-alahad-group/
この求人広告でも給料は5万円くらいですが、マレーシアのブルーカラー系では悪くない部類の給料だと思います。
日本では完全にブラック企業扱いになるでしょうね。
海外で働くのは収入アップの大チャンス
しかし、わざわざ住み慣れた地元を離れて一人海外で働くのは、それが大きなチャンスだからです。
セキュリティスタッフの彼らも、ネパールで働いたら月給1万円くらいしか稼げません。
だから、マレーシアで5-6万円もらえるのは大きなチャンスになります。
日本の人は実感わかないかもしれませんが、同じ仕事でも働く国の経済力や通貨価値で給与額は大きく変わるんです。
出典 : https://www.scmp.com/news/hong-kong/law-crime/article/2078763/hong-kong-police-break-loan-shark-syndicate-preying
他には、フィリピン人の女性も同じですね。
日曜日に香港のCentral(中環)に行くと、街に溢れかえるのはフィリピン人の女性。
彼女らの多くは住み込みのメイドとして香港で働いており、日曜日に同郷の友人と集まってランチを持ち寄っておしゃべりしたり、週一の休日を楽しんでます。
このように、フィリピンの女性は世界各地でメイドや看護師をやってます。
フィリピンで働いたら月給2万円以下でも、香港やシンガポールでメイドになれば6万円はもらえます。
例えばフィリピンで生まれ働いてても、高学歴でなければ月給2万円以下は珍しくないはず。それが香港に住み込みのメイドで出稼ぎすれば月6万円くらい稼げる。もし日本がもっと高給を稼げる保証があるなら、行こうという人が出てくるかもしれない。日本人には低所得でも高給になる人は必ずいる。
— なぐも さむ (Nagumo Sam) (@23net) 2018年11月5日
フィリピン出身ゆえに英語ができる強みもありますし、さらに中国語や広東語・アラビア語などもできるようになれば、自身の市場価値はさらに上がります。
顧客から重宝されて、待遇も他の人より優遇されるでしょう。
子供を地元において海外に出稼ぎに出てお金をコツコツ貯めれば、数年後地元に家を建てたり、子供を大学に行かせることも夢ではありません。
日本も選択肢の一つになりうる
出典 : https://diamond.jp/articles/-/183708
こういう人たちにとって、香港やシンガポール並みかそれ以上に稼げて、かつ受け入れ体制強化で日本のビザが容易に発行されるようになれば、日本でブラック企業といわれる業界の仕事であっても当然選択肢に入ってきます。
日本のコンビニや外食産業などブラック企業と言われる業界がありますが、自国でほとんど休みなく働いて月1-2万円しか稼げない彼らからしたら高給で、かつ環境も悪くありません。
日本人なら週休一日だと誰もやらない仕事を、お金を稼ぐチャンスとして高いモチベーションで取り組む外国人は少なくないでしょう。
大半の日本人は自分の同僚や競争相手が外国人非熟練労働者になるとは思っていない。しかし母国に比べたら給料が5倍10倍、数年で家が建ち、奴隷労働にも耐えられて地元には送金まってる親族がいる人々と競争するのは大変。経営者は勤勉な外国人を優先して採用。日本人はいりませんな未来が待っている
— めいろま (@May_Roma) 2018年11月6日
マレーシアのセキュリティスタッフも、ぼんやり立ってるだけのも少なくないマレー系と比べて、ネパール出身のスタッフはみんな真面目に仕事をしていましたね。
永住権の道も開けている
そして、在留期間を更新して永住権の道が開けているというのは大きいでしょう。
他国と比べても、依然として日本は清潔で治安も政情も安定した国。
私がいたマレーシアも、多民族国家ゆえに民族間の関係は良好とはいえず、何かの拍子で争いが起きかねない火種は常に抱えています。
そんなマレーシアですら、イスラム教徒以外は永住権取得はすごく難しいのが現状。
ムスリムでない中華系と結婚して10年くらいマレーシアに住んでる日本人の知り合いも、永住権はまったく取れる見込みがないと言ってました。
まして他の先進国といわれる国では、永住権の取得はもっと厳しいです。
日本人がみんな知ってるような国では、現地人と結婚したり現地で投資する程度では絶対に永住権は手に入りません。
しかし、日本は自然災害が多いなどの問題はあれども、多くの国と比べて治安もよく清潔な環境で、政情ははるかに安定しています。
今後制度が変わってビザも永住権も取りやすくなるなら、ビザや永住権狙いで日本に行く人は増えるかもしれません。
語学力をやらない理由にはしない
私の周りにいる日本人は、多くは『語学ができないから、海外に住んで働くなんて無理だよ。』といって尻込みする人たちがほとんどでした。
しかし、それは海外に行かなくてもそれなりに稼げる恵まれた環境にいるからであり、切羽詰まってないからです。
もし英語や外国語ができることで給料が今の数倍もらえるなら、多くの人が頑張って語学を勉強するでしょう。
地元のネパールやフィリピンにいても、英語を使って外国人相手のお店などで働けば給料は上がります。
もちろん、前述のように海外に行けばもっと稼げるでしょう。
彼らは『語学が完璧にできないから。。。』などと悠長なことは言わず、チャンスがあれば飛び込んでいって、足りないのは現場で覚える気概がある人たちです。
語学が完璧になるまで座学で勉強するなんて言ってたら、働けるチャンスも逃しかねません。
もちろん、海外や外国人相手で働くならある程度の語学力は必要です。
でも、業務に必要な語学力があるかを判断するのはあなたではありません。
そうやってまずチャンスをつかもうとする外国人のアグレッシブさは、我々日本人も見習うべきだと思います。
ホワイトカラーの職種にも外国人はやってくる
今回の入管法の改正では、いわゆるブルーカラー系の職種に就く外国人労働者がメインとなってるようです。
しかし、いわゆるホワイトカラー系の職種に就いてる人も他人事ではありません。
日本の人口がどんどん減る以上、国内より海外とのビジネスをする割合がどんどん増えるでしょう。
それにもかかわらず、日本人の多くができる言語は日本語だけ。
世界中からエリートが集まりしのぎを削るアメリカでは、英語はできて当然でそれ以外の外国語ができても珍しくありません。
それと比べると、日本は外国語ができれば大きく評価される段階にあります。
就労ビザなどの条件が緩和されれば、競争率の低いブルーオーシャンとして日本語を含め三ヶ国語以上できるような外国人が空席狙いでなだれ込むかもしれません。
例えば、英語を含め三ヶ国語以上の外国語が堪能で、かつ日本語もできて日本や海外の企業で勤務した経験がある外国人がいたとします。
もしみなさんが経営者であり、海外のビジネスを強化していきたいなら、どのような人を採用したいですか?
英語すらできない上に日本でしか働いたことがない日本人は、その点で市場価値は高いとはいえず不利ですよね。
まとめ
出典 : https://www.sankeibiz.jp/econome/news/180606/ecd1806060500001-n1.htm
以上、母国より恵まれた環境を求めて日本のブラック企業に飛び込む外国人労働者は増えるであろう件について解説してきました。
今後は仕事を探すにあたって、日本人だけでなく外国人も競争相手になるのは間違いないでしょう。
しかし、決して外国人労働者をネガティブな目で見ないでほしいです。
目の前の環境が良くなかったら、よりよい環境を求めて自ら行動を起こす姿勢は、我々日本人は見習うべきだと思います。
彼らをネガティブな目で見るよりも、彼らに負けないよう自分の市場価値を上げていくべきじゃないでしょうか。
よりよい環境や待遇を勝ち取るため、語学を学んだりスキルを身につけたり転職したりして自分自身の市場価値を上げるのは、外国人も日本人もやることは変わりません。
単に会社で指示された仕事をこなすだけではダメで、ウリになるスキルや経験が身につくよう自ら動かないといけません。
あなたが自分自身の市場価値を高めるには何が必要ですか?
語学やスキルアップの勉強をするのも必要です。
そして、リクルートエージェントなどの転職エージェントを利用して自分の市場価値を確認したり、コンサルタントに今後のキャリアや方向性について相談をするのも有益でしょう。
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日本で生まれ育った日本人は、外国人よりも日本という国や日本人についてわかっているはずです。
その大きなメリットを活かしつつ、外国人に負けない市場価値を身につけましょう。
[st-kaiwa1]外国人に負けないだけの市場価値を身につけて、この世界でサバイバルしていきましょう![/st-kaiwa1]
では、また!
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