こんにちは、さむさんです。
先日、アメリカに移住した人が日本へ帰国したという記事を読みました。
特に老いた親や自分自身の老後の問題について、色々考えさせられる記事でしたね。
自ら望み海外就職や移住を実現したくらいですから、そのまま海外でずっと生きていきたいという人は少なくないでしょう。
しかし、私もこの記事と同じように日本に帰国しましたし、海外に就職や移住をした人の多くがその後帰国します。
海外でも日本の国籍とパスポートで生きている以上、自ら望むと望まないとに関わらず帰国せざるを得ないことがあるのは認識しておくべきです。
目次
楽しい海外生活
私が海外で出会った日本人を見てると、海外生活をエンジョイしている人は多くいるように見えます。
やっぱり海外生活ってイメージはいいですよね。
日本の友人が言ってましたが、海外在住者のSNSやYouTubeを見ると優雅でキラキラした感じで、かつ余裕ある生活を送ってそうなイメージに見えたそうです。(実際はそんなことないのですが。。。)
そして、特に最初の頃は日本とは違った非日常の生活感があるので、毎日が新鮮な気持ちでいられることでしょう。
帰国せざるを得ない場合はたくさんある
もちろん、逆に現地に馴染めなくて帰国した人もいます。
海外に行こうとすると、周りから色々言ってくる外野は少なくありません。
そういう人は、海外に行くと日本に帰れない片道切符扱いにするし、逆に帰国すると不退転の決意で行く根性がない根無し草と揶揄したりするんですよね。。。
おかげで、海外から帰国するのを失敗やカッコ悪いといったマイナスのイメージは、日本の人だけでなく海外から帰る人にもあるのは否めません。
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もちろん、海外で生きていくのなら現地に根を張って馴染んでいく姿勢が必要なのは言うまでもありません。
しかし、海外生活が合うか合わないかは実際に経験しないとわからない面もありますし、合わなかった場合はさっさと帰国するのが正解です。
そして、自分と周囲に発生した問題が海外生活を続けるのを許さず、帰国せざるを得ない場合はたくさんあります。
多くの場合が、以下の3つのパターンに当てはまることでしょう。
①親や子供など家庭の問題
②自分自身の老後や健康上の問題
③ビザや世界情勢に関わる問題
親や子供など家庭の問題
日本の家族と縁が切れてる人でもなければ、多くの人が直面する問題です。
事実、私と同年代の人で親の介護の問題のために帰国される人の話をよく聞きます。
たとえ親を施設に預けて介護してもらうにせよ、様々な事務手続きなどを日本で行わなければなりません。
日本の兄弟などの身内に任せられればいいでしょうが、そうもいかない事情の人もいらっしゃいます。
私の親も今のところは元気ですが、年齢的にもその問題に直面する日はそう遠くないでしょう。
また、子供の教育をどうするかも大きな問題。
特に子供が日本人学校じゃなくて現地校やインターナショナルスクールに通ってる場合、あえて日本の義務教育を逸脱して多数派と違う道に進むことになります。
しかし日本に帰国せざるを得ない場合には、日本の義務教育を受けていない以上、子供の教育や進学に大きな問題が降りかかります。
そして、子ども自身が日本への帰国を望む可能性だってあります。
子供の教育をどうするべきかは親子できちんと話し合い、日本に帰国する可能性も想定して考えておくべきでしょう。
自分自身の老後や健康上の問題
海外生活が長い人でも、老後は日本に帰国する人は少なくありません。
やはり年齢を重ねると体力も衰えますし、母国語の環境のほうがなにかと楽なのは事実です。
そして、老後や医療に関する国からの保障は、多くの場合は外国人より自国民のほうが優先されます。
確かに、タイやマレーシアなど医療ツーリズムが盛んな国にある外国人や富裕層向けの私立病院に行けば、高級ホテルのような環境での高度な治療といったレベルの高い医療サービスを受けられるでしょう。
しかし、それは日本のような国民健康保険を前提とはしてないので、そういうきちんとした医療サービスを受けるならそれなりの費用が必要です。
もし老後も海外で生活していくのなら、生活を支えるだけの経済力は若い時以上に求められるのを忘れてはいけません。
ビザや世界情勢に関わる問題
ビザや世界情勢については、自分で高い経済力をつけたとしても解決できない可能性があります。
そもそも、海外に移住したり就職するには、現地に長期滞在したり就労できる合法的なビザが絶対に必要なのが大原則。
有効なビザを持たない滞在であれば、不法滞在として逮捕・拘束されても文句は言えませんし、厳しい国は即日国外退去かつ以後は入国禁止もありえます。
たとえ会社の指示で観光目的での出入国を繰り返してたと言っても、入国管理局はそれで許してくれることはないですし、会社もどうにもできないでしょう。
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そしてビザを発給する条件は、その国や世界の情勢で大きく変わるとても不安定なもの。
以前は労働力の不足を外国人で補うという動きが世界的に盛んでしたが、ここ数年は移民が増えて治安が悪化した国を中心に外国人の就労を絞り込む傾向です。
それでもあえて外国人を雇用するのですから、就労ビザを発給する条件は今までよりは厳しくなります。
たとえばシンガポールの場合、就労ビザを発給する条件の給与が大幅にアップした上に、出身校などの学歴も含めて審査され、今まで発給されていた就労ビザを更新できないことも出てきてるようです。
マレーシアの長期滞在でよく利用されるビザのMM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)も、2020年現在は新規申請を凍結しています。
同じようにタイの長期滞在でよく利用されるタイランドエリートも、今後はどうなるかはわかりません。
このように今は有効なビザでも、ビザを発給・更新するか否かの条件はその国の政策に左右されます。
もしビザの発給・更新が認められなかったら、外国人である以上は帰国するしかありません。
状況次第で帰国できる準備をしておくべき
ここまで述べたように、外国人はいつでも帰国の可能性があるとても不安定な立場なわけです。
無責任な外野がどう言おうとも、決して不退転の決意とかで海外に行くことはしないでください。
だから、状況次第ではいつでも帰国ができるような準備をしておくべきだと思います。
以下の3つのポイントで準備をすればいいでしょう。
①日本で帰れる場所を確保しよう
②日本の家族や友人などの人間関係は極力保とう
③日本で再就職するのに備えて実績やスキルを身に着けよう
日本で帰れる場所を確保しよう
まず、日本のどこかに帰れる場所を確保しておきましょう。
日本でマイホームを維持するのは負担が大きいので、多くの人に一番いいのは実家や身内の家ですね。
海外に移住した後も、運転免許証の更新案内など日本で郵便物を受け取れる住所を持つのがベターです。
その点でも、実家や身内の家は帰る場所と郵便物受け取りの両方で気兼ねなく使いやすいと思います。
もし実家や身内を頼らない場合なら、日本の親しい人がいる街がいいでしょう。
海外でも同じですが、やはり誰も知らない街に住むのは色々と大変ですから。
日本の家族や友人などの人間関係は極力保とう
おそらく、これを読まれている多くの方は、日本でも家族や友人などの人間関係をお持ちかと思います。
確かに、海外に住むようになると、日本の家族や友人に会う機会は今までより少なくなります。
しかし、日本で自分や家族に関する事務手続きを代行してもらうなど、日本の家族や友人の力を借りることは必ずあります。
また、日本での人間関係があるほうが帰国への心理的ハードルは低くなるでしょう。
今はありがたいことに、SNSやインターネットでのビデオ通話などを使えば、ほとんどお金がかからず日本と海外の間でやりとりできるようになりました。
だから、国境を越えて人間関係を維持するのは、以前と比べてそれほど難しくありません。
日本の家族や友人とは定期的に連絡取り合ったりして、今までと同様の人間関係を保ちましょう。
日本で再就職するのに備えて実績やスキルを身に着けよう
日本への帰国を想定するなら、海外での実績やスキルを身につけ、それらを評価する会社へ再就職しましょう。
海外で仕事したことそのものもですが、日本との板挟みになりながら現地人メンバーと協業した経験は、日本でしか働いたことがない人には無い実績です。
ITなどのスキルを持つ専門職として海外で働いたり、海外の拠点で現地人メンバーをリーダーとして取り仕切ったような実績は、海外勤務経験者を求める会社から高く評価されるでしょう。
日本で再就職するのなら、非公開求人が多く集まる転職エージェントの活用は必須です。
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また、英語などの語学のスキルは、現地の仕事で実際に使っていたのであれば実戦経験ありとして一定の評価はされます。
それでも、日本で再就職するのならTOEICのスコアがあったほうがベターです。
TOEICは試験対策が物を言う試験ですので、スタディサプリTOEICで短期集中でトレーニングして、ハイスコアを目指しましょう。
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どうしても日本に帰国したくない人は
それでも、どうしても日本に帰国しないで海外で生活し続けたいという方はどうすればいいのでしょうか。
前述の通り、外国人である以上はビザの更新を拒否される可能性をゼロにはできません。
そして更新できない可能性があるのは、長期滞在ビザでも永住権でも同じことです。
やはり外国人では、その国で安定して生活するのは難しいのは否めません。
つまり、日本に帰国しないでその国で安定して生活するには、まずは永住権を取り、ゆくゆくは市民権を取りその国の国民になるのが一番確実ということです。
いわゆる『市民権』を取るわけですね。
そもそも、『永住権』はかなりの長期で滞在できる権利なだけであり、国籍は変わりません。
永住権を取得後、『市民権』を取ることで名実ともにその国の国民になるわけです。
もちろん、特に市民権は永住権以上に取得するために時間や手間がかかります。
そんな永住権と市民権を少しでも実現できる可能性を上げるとしたら、やはり現地人と結婚することでしょう。
独身の方は、現地人と結婚することを考えるのが一番話が早くかつ現実的なはずです。
忘れてはいけないのは、永住権・市民権の難易度は国やその時の情勢で大きく異なることです。
永住権の取得は厳しくなる一方ですし、若いほうが有利ですから、どこかの国でまずは永住権を現実的に取れる道を目指すほうがいいと思います。
まとめ
以上、海外就職や移住は将来帰国する可能性を前提に考えるべきという件について解説しました。
物事には光と影がありますが、海外で生きていくのも同じことです。
海外には日本のようなしがらみがなく、のびのびと自由な環境でエンジョイできますが、居住国や身辺の状況に左右される不安定な身分と環境で生きていかなければいけません。
だから、海外就職や移住を実現したとしても、ご自身の意志に関わらず帰国を余儀なくされる可能性があるのは、必ず想定しておきましょう。
それでは、また!