こんにちは、さむさんです。
先日放送された「幸せ!ボンビーガール」の南の島移住特集で、2年ぶりにマレーシアが取り上げられました。
前回から2年ぶりですが、取り上げかたについてはそれほど変わらないですかね。
内容はだいたい本当だけど、都合よく編集されている面も濃いという感じです。
確かに住環境は日本よりいいし、日本語がメインでできる仕事はたくさんあります。
しかし、現地は日本じゃなく海外なんですから、テレビで言うように英語がまったくできない人だと間違いなく色々苦労します。
マレーシアや海外に行く前には、自分の身を守るためにも、テレビでは伝えていないリアルな情報やギャップについてご自身で収集してほしいところです。
やはり、現地で数年生活していた私も情報を発信しないといけないなと思いました。
そこで、ボンビーガールを見て海外移住したくなった人がその前に知るべき、海外の甘い話と苦い話についてまとめてみます。
海外の甘い話
まずは、海外に住んだら享受できるメリットなどの甘い話です。(マレーシアやタイなどの東南アジアがメインになります。)
特に東南アジアは日本向けの仕事が多い
まだ海外で就職したことがない人だと、海外で仕事を探すのは日本と比べてすごく難しいと思われるかもしれません。
しかし、これは国や地域によって事情は変わってきます。
例えば、日本から近い東南アジアだと、日系企業はたくさん進出しています。
また、アジア太平洋地域を統括する大きな拠点として、災害が少なくて様々な言語を使える人材を集めやすい東南アジアを選ぶ世界的グローバル企業も少なくありません。
つまり、顧客となる日系企業が東南アジア内にも多数存在するだけでなく、日本向けの業務を東南アジアの拠点から遂行するのも多くなったのです。
日本の市場は世界的にも特殊ですし、顧客が求めるクオリティは非常に高かったりします。
そのような顧客を相手にするなら、同じ日本人がやるほうがいいわけですね。
特にそのような案件が多いのはタイですが、マレーシアやインドネシアなども多いです。このような国では、日本語が堪能な日本人であること自体が仕事を探す上でのウリになります。
しかし、シンガポールや欧米など日本関係の仕事が多くない国だと、日本人をウリにできない分仕事を探す難易度は高くなります。
自分が興味ある国にはどのような仕事があるのかは、リクルートエージェントなどの海外就職にも実績があるエージェントでも聞いてみましょう。
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また、私が海外就職を実現した流れについては、この記事を参考にしてみてください。
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タイとマレーシアへの海外就職でアラフォーの私が内定するまでやった事を時系列でまとめてみた
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外資系企業の就労環境の良さ
私が海外就職の相談を受けた際、相手の人には一度は外資系企業で働いてみるのをオススメしていますが、大きな理由は就労環境の良さです。
何と言っても、残業の少なさと休みのとりやすさです。
残業がゼロとは言いませんが、多くの場合日系企業よりは少ないんじゃないでしょうか。
基本は、有給休暇も全部消化しないと上司からも色々うるさいです。
そして、有給休暇とは別に病欠があります。(現地では、Sick leaveとかMedical Certificateなどと言われます。)
だから、有給休暇は純粋に休みのために消化することができますよ。
私は年に2回日本に帰省するためにそれぞれ2週間の休みを取りましたし、それ以外でもちょくちょく休んでました。
LCCで頻繁に格安な海外旅行をしていた友人もいましたが、珍しくはないですね。
この就労環境は、日本でしか働いたことのない人には一度味わってほしいです。いろいろと人生観が変わると思いますよ。
ちなみに私の勤務先は米系企業でしたが、欧州系のほうがさらに環境がいいと聞きます。
家賃や光熱費など固定費は安い
日本より給料が安くても貯金ができるのは、毎月かかる固定費が安いからです。
ボンビーガールでもインパクトがありましたが、家賃は確かに安いです。
バンコクやクアラルンプールでプールやセキュリティ完備のコンドミニアムに住むなら、中心部を除けば約40,000〜50,000円の家賃で一人暮らしできるでしょう。
他にも電気代や水道代などの光熱費、携帯電話のプリペイドSIMはかなり安いです。
私はかなりエアコンなどで電気代使うほうでしたが、それでも毎月約5,000〜6,000円。携帯電話は4G/LTEのデータ3Gで毎月1,200円くらいでした。
固定費で高いと言えるのは、自宅のインターネット回線です。
私の場合、最大20MBの光回線が毎月約7,000円でした。
日本は最大1GBの光回線が約5,000円ですから、世界最速かつ最安値なんですよね。
家具付きの物件が多い
日本の賃貸って、家具付きがほとんどないですよね。
東南アジアの外国人向けコンドミニアムなら、家具は一通り揃っているところが多いです。
最低限でもベッドとエアコンと冷蔵庫くらいがあって、クローゼットやテーブルや電子レンジなどもあったりします。
オーナーが備え付け家具をどれだけ充実してくれるかは、家賃の高さに比例しますね。
それでも、家具を現地で買い揃える必要がないのはすごくありがたいでしょう。
日本から海外に移住するというより、スーツケース一個で引っ越すくらいの気軽さです。
日本国内で引っ越すほうが、家具を運んだりとかで費用もかかって大変じゃないですか?
現地のローカルフードは安い
ボンビーガールで安いと取り上げられたのは、現地のローカルフードですね。
屋台(マレーシアやシンガポールではホーカーといいます)やローカル向けのレストランだと、確かに相当安いです。日本の牛丼並盛りより安いんじゃないでしょうか。
ただし、現地のローカルフードに馴染めないと長く住み続けるのは大変です。
ローカルフードに馴染めるようなら、現地にも馴染める可能性は高いと思いますよ。
東南アジアの料理は同じアジアの日本人に合いますので、ぜひチャレンジしてください。
南国の温暖な気候は体調も良くなる
皆さんは季節の変わり目って風邪ひきやすくないですか?
私は季節の変わり目に体調をよく崩していましたが、気候の変動が少ないマレーシアでは体調を崩す機会が格段に減りました。
東南アジア全域は基本常夏なので、雨季か乾季かで多少気候が変わる程度です。
やっぱり気候が安定していると、体調も安定しますね。
あと、スギ花粉症も無縁の生活ですよ!
文法が正確な英語よりサバイバル英語
東南アジアで英語を公用語としているのは、シンガポールくらいです。マレーシアは英語が公用語ではなく、実質は第二言語クラスになります。
それでも、タイやマレーシアの人は日本人よりよっぽど英語でコミュニケーションできますが、彼らの英語は単語のスペルや文法もかなりめちゃくちゃです。
特にシンガポールやマレーシアの中華系は、英語をベースにマレー語や広東語・福建語などをミックスしたシングリッシュやマングリッシュと呼ばれるのを一般的にしゃべるので、日本の教科書通りの英語しか知らないと最初はかなり困惑させられるでしょう。
このYouTubeでEnglishとマングリッシュを比較してますが、かなり当たってます。
英和辞典で調べても出てこない単語だらけなんですよね。
もちろん、ハイクラスな階層の人はちゃんとした英語とシングリッシュ・マングリッシュを使い分けてくれますが、単なる大卒の人だとそこまでは考慮してくれません。
そんな彼らが英語を話すのは、英語が得意だからではありません。東南アジアは様々な民族が集まる、人種のるつぼといえるところです。バックグラウンドが異なる民族とコミュニケーションするには、共通言語として英語を使うしかありません。
その点で、多くの日本人のように英語が苦手な人ががんばってしゃべるのを受け入れてくれる土壌があるんですね。正確な文法より意思疎通を重視する、いわゆるサバイバル英語です。
もちろん、英語を公用語にするシンガポールや香港、アメリカやイギリスなどでは、ビジネスの場でそれなりにきちんとした英語ができないと厳しいかと思われます。
その意味で、東南アジアに移住されるなら正確な英語以上に英会話そのものに慣れるのが大事です。
英会話を最低でも半年勉強できる時間があるなら、英会話のLOBiで日本人向けに実践的な英会話をトレーニングして慣れるといいでしょう。
そこまで時間がないなら、回数無制限でレッスンを受けられるオンライン英会話のネイティブキャンプを利用して、可能な限り多くレッスンを受けて英会話の実践を積みましょう。
海外の苦い話
そして、日本ではあり得ないような海外での苦い話です。(こちらもマレーシアやタイなどの東南アジアがメインになります。)
日系企業は海外でもあまり変わらない
正直なところ、日系企業は世界のどこにいってもあまり違いはありません。
むしろ海外では日本より小さな拠点なので、日本を凝縮したムードの場合が多いです。
そこは会社によりけりですが、外資系よりも残業が多かったり、休みはそれほど取りやすくない傾向があります。
ただ、日系企業は総務などのバックオフィスがきちんとしているので、ビザや税金関係の手続きなどは会社がちゃんと面倒見てくれます。
外資系企業はその辺も本人次第なので、現地に慣れる前から仕事以外の面倒なことをかかえることになりかねません。私も税金関係で苦労させられました。。。
だから、最初に日系企業に就職して、徐々に現地に慣れるのはオススメなパターンです。そして、仕事しつつ外資系で好条件の仕事を探してステップアップするのがいいでしょう。
海外の料理や輸入品は日本以上に割高になる
タイやマレーシアのローカルフードは大好きな私ですけど、どんなに現地の料理が美味しくてもそれをメインに食べて長期滞在するのは難しいです。
日本で生まれ育った人なら、慣れ親しんだ日本の料理を定期的に食べたくなるのは自然なことですし、それが多数派の人だと断言できます。
だから、私も現地では日本食とローカルフードを5対5くらいの割合で食べてました。
だけど日本食など海外の料理や食材は、レストランでもスーパーでも割高です。
食材以外でも、海外から輸入して販売する商品は全般的に日本より割高ですね。
やはり日本の経済力や通貨価値は、まだ多くの東南アジア諸国より強いと感じられます。
現地の言語で生活しないと物価安のメリットは享受できない
もし現地で日本語しかできない状況だと、日本人向けに日本語で提供するサービスを利用する機会が多くなります。
日本語対応の分、現地でローカル向けに提供しているサービスよりは高いですね。
東南アジアの物価が1/3と言っても、年々物価は高くなる一方です。
ローカル向けのサービスを使わないと、生活はどんどん苦しくなるでしょう。
そのためにも、現地の言葉(最低でも英語)で現地の人とつながって現地のおトクな情報を教えてもらい、ローカル向けサービスも使えるようになりましょう。
ただ、すべてローカル向けでは安いなりの品質で満足できないかもしれません。
そこは自分なりに落とし所を作って、時には日本人向けサービスでメリハリをつけるといいんじゃないでしょうか。例えば、美容院だけは日系のところに行くという人は多いですよ。
高度成長期の新興国は公害がひどい
かつて日本が高度成長期だった頃は、日本の各地で公害病が大きな問題となりました。
今高度成長期の真っ只中のアジア各国でも同様に、公害による環境破壊は大きな問題となっています。中国のPM2.5による大気汚染とかは、日本にも影響がありますよね。
東南アジアでもマレーシアとシンガポールは、インドネシアの焼畑農業によるヘイズが飛来してきて深刻な問題となっています。
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ヘイズ(煙害)による深刻な大気汚染。マレーシア・シンガポールに行く人は要対策!
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喘息などをお持ちの人は、少し慎重になってもいいかもしれません。
ボンビーガールで出たマンションは別に高級ではない
今回の番組で取り上げられたプールやセキュリティ完備の高級マンション(コンドミニアムと呼ばれます)は、家賃が33,800円という事なので約1,300リンギットだと思われます。
日本人の現地採用が住むコンドミニアムは、1,500リンギット前後の価格帯が多いです。
ただ、ハッキリ言ってあれば高級ではないと思います。
外国人が住むならあのレベルのセキュリティが無いと危険ですし、本当に高級なコンドミニアムは広さも部屋数もあの数倍はあります。
また、この価格帯の物件は、外面はよくても中身はハリボテです。
これは以前の私の部屋ですが、雨が降ったら窓枠から水が床に漏れてきましたね。。。
部屋の設備でトラブルが発生したら、オーナーに修理をお願いする必要があります。
だから、オーナーとやり取りするためにも、英語が必要なわけです。
現地通貨の為替レートも考慮すべき
見逃しがちなのが、現地通貨の為替レートが変動することです。
私がマレーシア入りした2013年3月だと、1リンギットは約25円でした。
その後最大約35円になり、前回のボンビーガールが放送した2015年6月は約33円。
最近はリンギットがすごく安いので、現在は約25円です。
例えば月給が5,000リンギットだった場合、35円で計算したら175,000円で、25円で計算したら125,000円。この差はすごい大きいですよね。
興味がある国については、その国の通貨の為替レートがここ数年どのように変動しているかチェックするといいと思います。
公共交通機関がまともに使えない場合もある
特にマレーシアですが、この国は車がないと日常生活も難易度が高くなります。
ちょっと買物や食事に行くのに車がないと不便極まりないですし、歩行者は少なくて目立つので泥棒のターゲットになりかねません。
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なぜか治安のいいイメージのマレーシア。でも在住者は絶対にそんな事思いません!
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電車はまだ整備中の段階であり、バスは利用者の階層が良くなくてスリなどが多いので、外国人の女性にはあまりオススメできません。
インドネシアみたいに運転手付き車を会社が支給してくれるのが一番いいですが、外回りが多い営業職なら車が支給される可能性は高いです。
支給してもらえないのなら自腹で車を買うしかありませんが、中古車も値崩れしないので、日本よりも車は高いと思ってください。
ただ、クアラルンプールの中心部も新しい地下鉄が開業しましたし、バンコクの中心部はBTS(高架鉄道)で行動できる範囲にまとまっています。
タクシーも安くて、Grab Carなどの配車アプリは日本よりも盛んなので、だんだんと車無しでも行動できるようにはなってきましたね。
まとめ
以上、ボンビーガールを見て海外移住したくなった人がその前に知るべき、海外の甘い話と苦い話についてまとめてみました。
テレビのバラエティ番組である以上エンターテイメントであるべきだと思いますが、番組で取り上げられてるのは甘い話の面がほとんどです。
あれだけでは情報不足すぎるので、十分な情報を集めてから決断するのをオススメします。
また、興味がある国には一度自分の目で見に行って、雰囲気が自分に合いそうかや住めそうなのかを確かめておくのがベターです。
クアラルンプールやバンコクはホテルもリーズナブルで、航空券もお手頃です。
三連休などを使って、一度現地を見に行ってみましょう。
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それでは、また!