働き方

鬱病からの復職は、ゆっくりでも自信を回復させるのを優先すべき。

2017-11-14

鬱病からの復職_1

こんにちは、さむさんです。

最近こちらの記事を読んだのですが、色々と思うことがありました。

何度かこのブログでも書いていますが、数年前に鬱病で日本の会社を退職せざるをえなくなったというのは、私が海外に行くことになった大きなきっかけになります。

最初のタイで一度つまずきましたが、幸いマレーシアの前職でなんとか社会復帰を果たし、今現在は薬を服用してません。

しかし、今になって思うと私の社会復帰のやり方はかなり荒業でしたね。

上記の記事のように、キャリアアップよりもゆるやかな速度で自信を回復させるのを優先させるべきでした。

 

1年の休職後の新たなチャレンジは、負担も重かった。

鬱病からの復職_2

日本のIT土方の世界は、「我々は派遣でなくて業務請負で客先に常駐してるから!」というグレーな理由により、理不尽極まりないことがまかり通る不思議な世界です。

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実質は客先や元請けの上司の下で指示を受けて仕事しているのですが、名目上は自社が請け負った仕事を自社上司の指示で仕事をしているということになっています。

よって、何かミスしたら客先から自社上司を経由して怒られるという構造になってまして、客先から怒られる以上に厳しかったりします。

それだからか、鬱病を抱えて仕事している人は私以外にも多くいましたね。

私もどんどんひどくなるばかりで耐えられなくなったので、鬱病を理由に1年間休職してそのまま退職しました。

そんな私の最初のチャレンジは、バンコクの日系IT企業。

面接もいい感じだったし、リーダー職として新たなシステムの運用に関われるのは、自分には魅力的なキャリアアップに感じました。

海外就職する時はよくも悪くも意識高くなるので、新天地の新しいチャレンジで自分自身をステップアップさせたい気持ちも大きくなったんですよね。

しかし、そのために新しいシステムを学ぶだけでなく、リーダーとして責任を担うわけです。

おまけに日系企業らしい高いクオリティを求められますから、それに応えるために週の大半の勤務時間は朝7時から夜11時くらいまで。

その上、まだ慣れない海外生活も相まって、自分への負荷は想像以上でした。

私は復職明けでキャリアアップを意気込んでたのに、徐々に回復してきた自信は木っ端微塵に打ち砕かれる日々。

結局、私の最初の復職は失敗に終わりました。

 

次の復職はかなり軽めに感じる負荷にした

鬱病からの復職_3

私は一度日本に帰国して、少し休んでからまた就活をスタート。

その際は前回の教訓を踏まえて、キャリアアップよりも自分が自信を持って仕事できるかどうかを重視して求人に応募していきました。

確かに「もう若くないのにリーダー職じゃないのはどうだろう」とは思いましたが、それはこういうメンタルの問題と無縁だった人の話です。

ただでさえ鬱病で仕事できなくなり、働くことそのものへの自信を失っているわけですから。

自信を取り戻すためにキャリアアップを一度横に置くという決心が必要でしたが、結果としてこれは大正解でした。

次の復職の場となったのは、クアラルンプールの米系グローバルIT企業。

エンジニアよりもユーザーを相手にするのがメインのユーザーサポート業務は初めてとはいえ、Windows PCだけでなくiPhoneやiPadにも強かった自分にはうってつけでした。

その後は、よりテクニカルなサポートやメンバーのフォローがメインとなったので、自分の得意分野をより活かすことができたと思います。

もちろんそれなりに新たなチャレンジや失敗もあったりしましたが、業務は適性度が高い分負荷が軽めで、成功体験を積み重ねやすかったと思います。

また、テクニカル面でサポートすることでユーザーから直接感謝の言葉をもらった時は、うれしいだけでなく大きな自信になりましたね。

小さな成功を積み重ねることで徐々に自信を取り戻し、鬱病の薬は徐々に減らして、クアラルンプール入りして半年後には投薬をストップするくらいにコンディションも回復しました。

まさに適性が高い環境に変えたからこそ、自信を回復し症状が改善したのだと思います。

 

復職は自信の回復を重視すべき

以上の経験より、私は鬱病から復職する際はキャリアをダウンさせてでも自信を回復するのを最優先にすべきだと考えています。

 

まず自信を回復しなければキャリアアップどころじゃない

鬱病からの復職_4

鬱病からの復職で問題になるのは、復職後に同じ症状が再発する人がかなり多いこと。

私の経験からも、復職した直後は肉体的精神的な負荷は想像以上に大きかったです。

そしてそれ以上に辛かったのが、今までできた仕事ができなくなったことにより社会人としての自信を喪失していること。

私も「自分はちゃんと仕事できるのか?また失敗するんじゃないか?症状がぶり返すんじゃないか?」と不安でたまりませんでしたし、今でも再発するか不安なのは否めません。

しかし、誰もがいつかは社会人としての自分を再起動し、不安に打ち勝ちたいでしょう。

そこから再起動するには、まずは小さな成功体験を積み重ねて自信を回復させるべきです。

いきなりキャリアアップや難しい仕事に挑戦して失敗したら、ますます自信を喪失してしまうんじゃないでしょうか。

 

キャリアダウンしてでも環境は変えるべき

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会社が鬱病からの復職に理解があり、最初は負担が軽い仕事を回してくれるなら、その流れに乗って徐々にステップアップすれば問題ないでしょう。

しかし、日本の多くの会社はそこまでする余裕はないんじゃないでしょうか。

最近は負担が軽い仕事は派遣社員や外部にアウトソースして、正社員は責任や負担が重い仕事を任されることが多くなりました。

多くの人は、自分が今までしていた仕事にそのまま戻って、なかなか症状が改善しなかったり最悪ぶり返すというパターンが多いように思えます。

となると、今の会社で負担が軽い環境に変えることは難しいかもしれません。

その場合は、適性が高くてかつ負担が軽い環境を求めて、自ら動くべきでしょう。

当然、それは転職も含めて考えることになります。

確かに、負担が軽い環境を求めるとなると、キャリアダウンになるかもしれません。

お世辞にもカッコよくないし、外野の声も色々と入ってくるでしょう。

しかし、仕事が原因で鬱病を発症した人なら、そもそも元の仕事には戻らないほうがいいんじゃないでしょうか。

なにより、キャリアや外向けの体裁を守るよりも、自分自身のメンタルを守るべきです。

周りがなんと言おうが、自分の心の声に従うのが一番です。

 

海外へ環境を変える場合は慎重に

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私のように海外で就職すると、環境を本当に大きく変えることができます。

そういう意味では、海外に興味がある人なら海外就職や移住はいい選択肢だと思います。

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しかし、現地に住むのは旅行とは違います。

実際に住んだら、思っていたのと違って早々に帰国したという人もいます。

一番の問題は、海外の病院で精神医療の診察や薬は実費負担がほとんどということです。

私の場合も薬の減薬を始めた段階で渡航しましたので、ある程度減薬などの改善が見られてからのほうがいいんじゃないでしょうか。ずっと治療を続けるのは厳しいです。

ちなみに、バンコクでもクアラルンプールでも精神医療は外国人向けの大きな病院での診察ですから、日本語の通訳も付き添ってくれるので心配はいりません。

ドクターもキレイな英語で治療方針などわかりやすく説明してくれますので、個人的には日本の医者よりも感じが良くて好きでしたね。

それでも、まずは自分が興味ある国・都市へ長めの旅行や短期留学などで中長期滞在を体験して、それでも住んでいけそうかを見極めてくださいね。

それでも「やっぱり違う!」と思ったら、無理しないで帰国しましょう。

 

まとめ

私自身も成功体験を積み重ねて自信を回復したおかげで、鬱病の症状は改善しました。

しかし、風邪なら薬飲んで休めば完治しますが、鬱病は完治は非常に難しい病気です。

それどころか、鬱病は完治できませんし、完治しなくても仕事はできると思います。

だから、もしご自身が鬱病になってしまった場合は、目指すのは完治ではなく、症状をコントロールできるようになるのを目指すべきです。

そして、私自身も一生コントロールしていかなければなりません。

くれぐれも無理はしないで、鬱病と付き合っていきましょう。

なお、この記事はあくまで個人的な経験や見解に基づくものですので、医師の診察や判断を仰いでいただくようお願いします。

それでは、また!

 

  • この記事を書いた人

さむさん

うつ病による退職後、アラフォーでタイとマレーシアで海外就職を実現しました。 現在は東京から、日本や世界の壁を越えた新しい働き方や生き方を追求中です。

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